読んだ本③『ヤンキー 母校に恥じる—―ヨシイエと義家氏』
『デス・ゾーン』と同じく河野啓さんの作品で、かつ、開高健ノンフィクション賞を受賞した作品。河野さんの書くノンフィクションが面白かったので、続けて一気に読んでしまった。
印象的だったのは、河野さんが最後に述べていた言葉。
「ドキュメンタリー」という言葉が、私は好きではない。長い。硬い。重い。説明的。「見ないでくれ」と言わんばかりだ。 ついでに言えば、「ノンフィクション」という言葉にも抵抗がある。初めにフィクションありきで・・・(中略)・・・自分が行っている「事実を積み重ねて人間や社会を描く」営みをこう呼ぶようになった――。 『リアル』
自分も『リアル』が好きで、それを読んで勝手に解釈して、そこから行動や考えを変えている気がした。
義家氏の変化もリアルだったんだと思う。根本は変わっていないけれど周りの状況でよく働く場合とそうでない場合があったという話に読めた。栗城さんと同じく、あまり周りの意見を聞けないところがあると感じた。それが成功にも向かわせたけれど、方向修正も難しくしていると思う。
著者の河野さんの葛藤も大きかった。栗城さんの関係者にも、義家氏の関係者にも、「河野さんのせいだ」と言われていて、なかなか精神に来るものがあったと思う。メディアの重さも感じたが、仕事としての面白さも感じた。人の人生を狂わせる力もあるし、スポットライトをあてる力もあると思う。ありきたりのことを思ってしまった。河野さんが関係者一人ひとりと真正面から向き合う姿がかっこよかった。
義家氏の名前をYouTubeで調べると、義家氏がリラックスところに若い人が来てあたかも急に質問をしたというていの、よくあるshortsがでてきたのが印象的だった。